
スマホでもOKということでしたら、スマホでWeb面接に臨むときの注意点も教えてほしい。

本記事の内容
- Web面接にスマホで対応する場合の注意点
- 企業が指定してくるWeb面接ツール(アプリ)
- Web面接における通信環境について
- Web面接における音声環境の設定について
- Web面接における目線、スマホの固定について
- 面接官からの見え方について
- Web面接におけるカンペの使用について
- Web面接における表情、リアクション
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、企業の採用面接は、新卒、中途採用ともWeb面接を取り入れる企業が増えています。
この記事を書いている時点(2020年5月23日)では、首都圏と北海道を除く全国各地では、緊急事態宣言は解除されましたが、採用面接をWebで行う傾向は、もうしばらく続くと考えています。
この記事を読んでいただけますと、実際に採用現場でWeb面接を実施している企業の人事担当の私が経験した残念な事例と、それらを踏まえた注意点を理解することができます。
本記事の信頼性
- この記事を書いている私は、大企業子会社での採用担当歴5年ほど。
- 採用の現場で、すでに多くのWeb面接を実施しているため、Web面接の注意点、応募者の方に改善してほしい内容を熟知しています。
- 自分自身も技術者として2回の転職を経験しているため、転職しようとしている人の気持ちがよくわかります。
もくじ
Web面接にスマホで対応する場合の注意点
Web面接をスマホで対応することは、いくつかの注意点をおさえれば、十分可能です。
Web面接というと、PCで対応するのが一般的と思われる人もいるかもしれませんが、スマホの場合、音声環境のトラブルが発生しにくいなどのメリットもあります。
まずはじめに、Web面接をスマホで対応する場合のメリット、デメリットを整理してみましょう。
Web面接をスマホで対応するメリット
- Web面接接続ツールはアプリで対応するため、接続が簡単
- 面接官の音声が聞こえない、こちらの音声が届かないなどのトラブルが少ない
1つずつ見ていきましょう。
Web面接接続ツールはアプリで対応するため、接続が簡単
PCの場合ですと、Web面接への接続は、メールで送付されてきたURLをクリックすると、ブラウザーが立ち上がり、アドオンのアプリをインストールという、複雑なプロセスとなりますが、スマホ対応の場合、事前にWeb会議のアプリをインストールしておけばOKです。
面接官側の音声が聞こえない、こちらの音声が届かないなどのトラブルが少ない
ここがスマホを使用する一番のメリットです。
これまでに私は何回もWeb面接を実施してきましたが、スマホで対応された方においては、音声、画像関係のトラブルはほとんどありませんでした。
スマホに音声関係の機器を接続するのは、せいぜい、イヤホンを接続する程度なので、音声の系統が単純ですので、トラブルが発生しにくいのかもしれません。
これに対し、PCで接続するときは、事前にマイク、スピーカーの機能がちゃんと動いているかなど、できれば事前の接続テストを行い、確認する必要があります。
Web面接をスマホで対応するデメリット
- 画面が小さいため、面接官の表情がわかりにくい
- スマホの固定方法を工夫する必要がある
- WiFiもしくは電話回線でネット接続するため、通信状態が不安定になりやすい
- スマホアプリからの通知、電池の消耗など、事前対応を忘れて面接の臨んでしまうことあり
これも1つずつ見ていきましょう。
画面が小さいため、面接官の表情がわかりにくい
これはWeb面接をスマホで対応する場合の最大のデメリットです。
面接官と応募者の1対1の面接であれば、さほどデメリットは顕著になりませんが、面接官が複数名、会議室のテーブルに座って対応する場合は、スマホの小さな画面に複数名の面接官が遠めに見えるのみとなります。
面接官の表情を小さなスマホ画面で伺おうとすると、面接官側からは、応募者の顔がドアップとなってしまい、いい印象はあたえません。
スマホの固定方法を工夫する必要がある
これも非常の重要な部分です。
後ほど解説しますが、Web面接では、面接官側に自分がどのように見えるのかを常に意識して臨まなければなりません。
WiFiもしくは電話回線でネット接続するため、通信状態が不安定になりやすい
これもスマホの宿命です。
私もWeb面接であれこれ試行錯誤してわかったことですが、今現在はまだまだ、ネットの通信状況が最も安定させる方法は、WiFiや電話回線ではなく、LANケーブルとPCやスマホなどのデバイスを直接接続です。
スマホとLANケーブルの直結は、アダプタを使えば簡単にできますので、Web面接の最大のネックとなる通信状態をより良い状態に保つためにも、スマホとLANケーブルの直結を試してみることをおすすめいたします。
スマホアプリからの通知、電池の消耗など、事前対応を忘れて面接の臨んでしまうことあり
これも実際にWeb面接をしていると、残念ながらよくある事例です。
突然通知の音が鳴ったり、スマホの電池が切れそうになり、面接の途中で慌てて電源コードを探しに中座してしまった応募者の方など、明らかな準備不足です。
こういったケースでは、面接官は、応募者の評価を、要領の悪い人、熱意に疑問がある、となってしまいますので、十分に準備をしましょう。
企業が指定してくるWeb会議ツール(アプリ)
さて、Web面接で使用するツール(Web会議アプリ)は、企業によってバラバラです。
よって、複数の会社の面接を受取るときは、応募先企業が指定してくるWeb会議ツールで対応しなければなりません。
代表的なWeb面接で使用されているアプリは、以下のとおりです。
- Skype for Business
- Zoom
- Webex
- Skype
- LINE
- Facetime
1つずつ簡単に解説いたします。
Skype for Business
数年前までは、Web会議ツールといえば、Skypeで、現在もSkypeはMicrosoftに買収され、存続していますが、このSkype for Businessは、もともとあったSkypeとは別物のアプリです。
Skype for Businessは、主に大企業系で使われていることが多く、個人での利用は想定しておらず、無料プランなどもありません。
よって、自分のPC、スマホなどを使って事前に接続テストを行うことができない点が難点ですが、スマホの場合、アプリも用意されており、アプリをインストールしておけば、「ゲスト参加」でライセンスがなくても利用ができます。
アプリをインストールする際は、本家のSkypeと間違わないようにしてください。
接続は、応募先企業からメールなどで送付されてくるURLをタップすると、Skype for Businessアプリが起動し、会議へ接続できます。その際、「ゲストで参加する」を選択します。
Zoom
今やすっかりWeb会議システムの標準にのし上がったのが、Zoomです。
Zoomは無料ライセンスも用意されており、アプリをインストールし、無料アカウントを作成すれば、すぐに利用することができます。
応募先企業が設定した会議は、アカウントを作成しなくても参加できますが、まずはアカウントを作成し、事前に自分のPCとスマホなど、2台の機器を使って、接続テストをやっておきましょう。
Webex
こちらも一般的にはあまり馴染みのないWeb会議システムです。
読み方は、「ウェベックス」と、そのままです。
Webexも無料ライセンスというものはなく、企業を中心に使われています。
よって、Web面接の接続を、Webexで指定された場合も自分だけでは、事前の接続テストができません。
しかしWebexの場合も、スマホアプリが用意されており、事前にインストールしておけば、メール等で送付されたURLをタップすれば、Webexアプリが立ち上がり、接続ができます。
Skype
Zoomが登場する前までは、フリーのWeb会議ツールといえば、Skypeが定番中の定番でした。
現在でもZoomと並び、Web面接で利用している企業も多いかと思いますが、今となっては、接続するにあたっては、他のアプリと異なる準備が必要です。
- アプリをインストールし、無料アカウントを作成
- 取得したアカウントを応募先企業へ連絡
- 応募先企業のアカウントから「コンタクト申請」が来る
- コンタクト申請を承認すると、チャット、Web会議が利用できる
大まかな手順は上記のとおりですが、これはLINEの使い方に似ています。
Web会議の接続は、これまでに紹介したアプリとは異なり、応募先企業が、あなたのアカウントへ直接呼び出しをかける、というものです。
これもLINEと同じですね。
といいますか、順番的には、LINEがSkypeの接続方法をパクったといった方が正しいでしょう。
LINE、Facetime
こちらはもはや説明無用かと思いますが、ある程度以上の規模の会社になると、LINEやFacetimeで面接を設定してくる会社はほとんどないと思います。
理由は、LINE、Facetimeは、個人利用色の強いツールであるためです。
ベンチャー企業や小さな会社などでは、このようなお手軽なツールで面接を行う場合もあるかもしれません。
使い方や注意点については、割愛いたします。
Web面接における通信環境について
Web面接で最も重要となるのが、安定した通信環境です。
スマホ利用の場合、ネット接続は、ほぼWiFiとなるため、WiFiの電波状態は、ベストな状態を確保できるよう、準備しましょう。
WiFiの電波状態は、WiFiルーターが同じ部屋の中に設置されていれば問題ないですが、例えば、1階のリビングにWiFiルーターが設置され、面接を受ける部屋が2階の部屋だったりすると、状況によっては対策が必要となります。
面接を受ける部屋での電波状況がイマイチの場合、対策をすることになりますが、具体的には、「無線LAN中継器」というものを購入しましょう。
初期のセットアップが必要となりますが、セットアップ後は、WiFiルーターと面接を受ける部屋の間の適当な場所のコンセントに差すだけなので、簡単に対策ができます。
無線LAN中継器は、Amazonで3000円程度で購入することができます。
Web面接における音声環境の設定について
私がこれまでにセットしたWeb面接においては、応募者がスマホで対応した場合、音声関連のトラブルはほとんど発生していません。
逆にPCで面接対応した場合は、3回に1回くらいの割合で、音声トラブルが発生しています。
Web面接における目線、スマホの固定について
さて、ここがスマホでWeb面接を対応する際、一番注意しなければならない点です。
まず、スマホ本体ですが、必ず、自分の目線と同じ高さになるよう、何らかの方法でスマホを固定しましょう。
まちがっても、手帳型のスマホケースだけでスマホを斜めに自立させ、スマホを見下ろすスタイルで面接に臨んではいけません。
理由は、この場合、面接官は、応募者に高いところから見下ろされている状態で、面接を進めることになり、印象がとても悪くなるからです。
スマホの固定方法は、コンパクトな三脚と、スマホホルダーを組み合わせるのがベストです。
自撮り棒に、自立機能がついているものでもよいのですが、自撮り棒の場合、自立機能があるものでも、不安定な場合が多く、何かの拍子で、固定したスマホごと、転倒するリスクが否めません。
面接官からの見え方について
応募者の表情がはっきりわかるよう、光のあたり具合を調整する
実際にWeb面接を実施した中で、残念だったケースの中の1つに、応募者の顔が影になってしまい、表情がよくわからなかったというものがあります。
このケースはわりと頻繁に発生しており、面接前の接続テストでは、半数以上の方に、顔への光の当たり具合をその場で調整してもらっています。
面接を自宅で行う場合、スマホカメラに天井の照明が写り込んでします場合は要注意です。
このような場合は、スマホ本体の後ろ側に、勉強用のデスクスタンドを設置し、自分の顔に光があたるようにすると、大幅に改善されます。
デスクスタンドは白色光のものであれば、なんでもよいです。
このような事前セッティングは、Zoomを自分のアカウントで立ち上げるだけで、自分がどのように映っているのかを確認できますので、事前にしっかりセッティングを行っておきましょう。
いずれにしても、面接で、応募者の表情がよくわからないのでは、面接結果に致命的影響を及ぼしますので、労を惜しまず準備しましょう。
面接官にとってのベストなカメラアングル
面接官にとって、応募者はどのように映っているのがよいでしょうか。
答えは、近すぎず、遠すぎずということになりますが、具体的には、あなたの胸から上が画面に収まる程度のアングルがベストです。
これくらいのカメラアングルですと、スマホ本体もそれほどあなたから離れることなく、横に数名並んでいる面接官の表情もかろうじて把握できるのではないかと思います。
スマホ(カメラ)に近づきすぎない
これまでに行ったWeb面接の中で、面接官の質問への回答に夢中になるあまり、スマホのカメラに近づきすぎ、面接官からは、顔の半分が大写しになるという場面が何度かありました。
これは致命的なものになるというわけではないのですが、Web面接では自分が面接官側にどのように映っているかを常に意識する必要があります。
Web面接におけるカンペの使用について
さて、Web面接になると、面接官側から見えているのは、スマホのカメラに写っている範囲のみになります。
ここで機転を利かせる人は、スマホカメラの後ろ側に「カンペ」を貼り付け、やや長めの受け答えもスムーズに行えるぞ、と考えるはずです。
カンペについては、結論、私はあまりおすすめはしません。
理由は、Web面接をやっていると、画面の向こうの応募者が、カンペを見るときは、目線の動きや、受け答えが棒読みになることもあるので、わかってしまうからです。
棒読みになった、受け答えからは熱意が伝わりづらく、面接官の評価も割り引かれたものになってしまいがちです。
カンペを使うのであれば、受け答えの内容はしっかり暗唱した上で、キーワードとなる短い言葉を大きな字で書いたものを、スマホの後ろに貼るくらいだと思います。
要は、読まなければならないような文章をカンペに書いてはいけない、ということです。
Web面接における表情、リアクション
Web面接は遠隔地の応募者でも気軽に面接ができる反面、応募者側、面接官側のお互いの雰囲気など、微妙なコミュニケーションが取りづらいという難点があります。
この項目では、Web面接での微妙なコミュニケーションを少しでも円滑に進めるために、やるべきことを手短に解説いたします。
面接官が話しているときは、うなづきであいづちを打つ
面接官側から見て、一番不安なのは、相手がどのような反応をしているか、わからない場合です。
これは応募者側から見ても同じだと思います。
こういったミスコミュニケーションを防ぐため、面接の中での雑談の中で、笑うべきところは笑うなど、こちらの感情をしっかり伝えるようにしましょう。
また、面接官からの質問や、説明に対し、頷きで相槌をうつのも面接官側からすると、安心できます。
面接官からの質問で、音声が途切れてしまったら
これは、Web面接では必ずといっていいほど、発生します。
面接官の質問の最中で、音声が途切れてしまったら、ここは遠慮せず、「すみません、音声が途切れてしまったので、もう一度お願いいたします。」とはっきり伝えてください。
これも実際のWeb面接でよくあるのですが、面接官に気を使って、音声が途切れているにも関わらず、質問を推測し、受け答えをしていまうというパターンです。
推測が当たっていればよいのですが、推測がちがっていた場合は、質問内容と合致した受け答えとならず、面接官は、コミュニケーション能力に問題あり、と判断しかねません。
面接をWebで行っているときでも、面接で評価される応募者のベーススキルは、コミュニケーション能力であることを忘れてはいけません。
対策すべきはWeb面接だけではない
採用面接でWeb面接が広く採用されはじめた今、応募者は、Web面接の注意点に関心が向かいがちですが、肝心な面接対策という部分も忘れてはいけません。
応募先企業は面接でどのような質問をしてくるのか、志望動機はどのように説明すればよいのか、など一番情報を持っているのは、転職エージェントのキャリアアドバイザーです。
Web面接の対策についても、すでにWeb面接を受けた応募者から、多くの情報を蓄えていると思いますので、転職エージェントのキャリアアドバイザーを積極活用しましょう。
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まとめ:Web面接にスマホで対応する場合の注意点
今回の記事では、Web面接にスマホで対応する場合の注意点について述べきました。
以下、本日のまとめになります。
- Web面接は、いくつかの注意点をクリアすれば、スマホでも十分対応可能
- Web面接にスマホを使うメリットは、音声関係のトラブルが発生しにくいこと
- スマホを使うデメリットは、画面が小さいことによる面接官の表情がわかりづらいことと、
WiFiなどの無線でのネット接続が不安定になりやすいこと。 - 面接を受ける部屋の電波状態がよくない場合は、無線LAN中継器を導入し、電波状態を改善するための準備を行う。
- 応募先企業から指定されるWeb面接ツールは企業によってまちまち。しっかり事前接続等の準備を行う必要あり。
- Web面接を行う時は、スマホ本体のカメラは、自分の目線と同じ高さに固定する。
- スマホの固定は、コンパクト三脚とスマホホルダーがおすすめ
- Web面接においては、自分の顔に光があたるよう、設定し、面接官に自分の表情がしっかり伝わるよう、事前に確認する。
- 面接官にとってベストなカメラアングルは、あなたの胸から上全体が写るアングル
- 面接の受け答えに夢中になるあまり、カメラに近づきすぎないよう注意する
- 面接中の「カンペ」使用は目線の移動などで面接官にわかってしまうケースが多いため、基本的におすすめしない
- 面接官が話している時は、頷きで相槌をうち、笑うべきところは笑い、面接官が言っていることをしっかり理解していることを伝える。
- 面接官からの質問の途中で、音声が途切れたら、遠慮せず、「すみません、音声が途切れてしまったので、もう一度お願いいたします。」とはっきり伝える。
- 対策すべきはWeb面接だけではない。肝心の面接対策の情報収集もお忘れなく。
本日は以上です!