

本記事の内容
- 20年にわたる会社の洗脳から覚めた自分が思うこと
- 会社の洗脳から覚めるにはどうすればよいのか
この記事を読んでいただけますと、一般的な会社で社員の洗脳がどのようになされているのかを理解することができます。
また、洗脳から覚めるにはどうしたらよいのか、洗脳から覚めた後はどのように生きていけばよいのかについても、私の体験をベースとした1つの例をイメージすることができると思います。
本記事の信頼性
- この記事を書いている私は、大企業子会社での人事担当歴5年ほど。
- 転職を2回経験しており、複数の会社で足掛け20年近く、会社の洗脳を受けていました。
- 数年前にあるきっかけで洗脳から覚め、今では洗脳前と真逆のマインドで生活しています。
それでは前置きはこれくらいにして、解説を始めていきます。
もくじ
20年にわたる会社の洗脳から覚めた自分が思うこと
洗脳は多かれ少なかれどこの会社もやっている
「洗脳」というと、ブラック企業を連想する人が多いかと思いますが、実は多くの会社で洗脳は普通に行われています。
洗脳を行うとは言っても、人事部が「洗脳マニュアル」みたいなものを作り、各部署にそれを配布し、システマチックに洗脳を行っている会社はほとんどありません。
こんなことは一般社員にはわかるはずもありませんが、もし、心理学的な手法を用いて社員のマインドをコントロールしている会社があるとしたら、その会社はある意味、相当進んでいる会社といえます。
それでは、ほとんどの会社では、どのように社員を洗脳しているのか。
それは、「協調性が大切」という企業文化により、洗脳する方も洗脳される方にとっても、無意識に洗脳が進んでいきます。
多くの企業では、「協調性が大切」、「チームワークが大切」という言葉や職場の雰囲気で社員一人ひとりに刷り込まれているのが実情です。
会社に洗脳されている状態とはこんな状態
さて、会社に洗脳されている状態とは具体的にどのような状態でしょうか。
以下、典型的、かつ多くのサラリーマンに見られる洗脳された状態です。
- 何があっても仕事優先
- サービス残業・休日出勤するのが企業人として当然のこと
- 残業が少ないやつはダメなやつだと本気で思っている
- みんなが残業しているから自分も残業するのが当たり前
- 忙しい状態が心地よく、誇れる状態
- 会社の飲み会、行事は必ず参加するものだ
- 熱があっても出社する
- 長時間働いていれば評価される
- 上司の自分への評価が常に気になる
- 作り笑顔で笑うことは苦にならない
これらは大企業、有名企業を含む、ごく一般的な会社でも多くみられる現象です。
お恥ずかしい話、私の場合、洗脳が解かれるまで、上の項目はすべて当てはまっていましたが、今ではどの項目も微塵も当てはまりません。
これがブラック企業になると、精神状態が極限まで追い込まれ、会社で仕事をしているときも含め、思考停止状態に陥ります。
なぜ会社は社員を洗脳するのか?
そもそも会社はなぜ、社員を「洗脳」するのでしょうか?
結論からいいますと、洗脳は、「社員を会社にとって使いやすい人間に染めていくため」に行います。
これは経営者の立場になってみれば簡単に理解することができます。
経営者の最大の目標は、経営している会社が少しでも多くの利益をあげることです。
利益を多くあげるには、売上を増やすと同時に、コストを下げる必要があります。
コストのうち、大きな割合を占めるものに、人件費、つまり、社員の給料があります。
会社として理想の状態は、社員は安い給料で、最大限のモチベーションを発揮し、最大限のアウトプットを出してもらうことです。
これがブラック企業になると、実際に働いた分の残業代を何かと理由をつけて支払わないということがまかりとおっていて、人件費の削減に一躍かってます。
そもそも洗脳まみれの日本人
日本人の場合、会社がシステマチックに社員を洗脳しなくても、ほとんどの人に洗脳の下地が備わっています。
理由は、日本人の場合、学校教育が大いなる洗脳にとてつもなく大きな役割を果たしているからです。
日本の学校教育の特色を一言で言い表すと、「みんなと同じ行動、考え方をする。個性は良くない。」ということになります。
これは以下の例でよくわかると思います。
- 日本の子ども全員が文部科学省が制定した学習指導要領に沿った、同じ授業を受ける
- 運動会などの学校行事も有無を言わさず全員参加する
- 運動会、部活など、全体の和、協調性が重んじられる。
- 給食は全員同じメニュー。選ぶ余地なし。
- ごくわずかな例外はあれど、中学生になったら、全員制服を着る。
日本の学校教育は、まさに画一的な価値観を持つ人間を大量生産し、最終的には工場や会社に送り込まれていきます。
こういった教育を受けた人たちは、会社に入ってからも、会社の都合のよい価値観に染めるのは簡単です。
画一的な価値観を持った人たちは、皆、同じように働きますので、職場の統制が乱れることもなく、同じ品質のものを作り続けることができます。
長らく日本製の製品は、品質がよいと言われていた背景は、一糸乱れぬ統制が取れた職場で、画一的な価値観の人たちが働いているからなのです。
会社の洗脳から覚めるにはどうすればよいのか
洗脳から覚めるには何かのきっかけが必要
洗脳された状態でも、なんだかんだで心身ともに健康を保ち、仕事もまあ、うまく行っていると感じている時は、自分は会社に洗脳さているとは気づかないものです。
洗脳から覚めるには、何かしら小さなことでも「きっかけ」が必要です。
私の場合は、小さくもなかったのですが、働きすぎと複雑な仕事の状況のため、精神的に追い込まれ、軽いうつ病になったことがきっかけでした。
それまでは、うつ病になるようなやつは、甘えがあるからだ、とか、根性が足りてない、と本気で思っていました。
これも洗脳の影響です。
自分もこれまで、苦しい状況はたくさんありましたが、なんとか乗り越えてきたという自負もあり、精神的には相当タフだと思っていたところに、うつ病と診断され、相当、落ち込みました。
私は幸い、うつ病で休職するところまでは行かなかったのですが、就業制限ということで、残業の上限時間にも規制が入ることになります。
また、このような状態になってしまったことで、いわゆる出世コースからは外れ、これまでの自分のモチベーションとなっていた、昇格、昇給というものもなくなってしまったわけです。
そこでふと、「俺は今までなんのためにがんばってきたんだろう。。」とこれまでの自分の働き方、考え方に強い疑問を持つようになりました。
この時はじめて、私は会社の洗脳から覚めることになったのです。
私の例も含め、会社の洗脳から覚めるきっかけとは、以下のようなケースがあります。
- 体調を崩してしまった
- 出世コースからの脱落
- 家族との疎遠、離婚、死別
- 自分と全く違った生き方をしている人の影響を受ける
洗脳から解かれ、「自分」を取り戻す
洗脳から解かれ、体調も回復すると、私はこれまでとは真逆の価値観で生きるようになりました。
つまり、
- 自分の仕事が終わったらさっさと帰る
- 残業はほぼゼロ。休日出勤した分は必ず代休を取る(休出はほぼ、やりませんが)
- 会社の飲み会、行事も基本的に行かない
こんな感じです。
こんな働き方でもアウトプットは落ちていません。
むしろ、仕事をする上での余計なぜい肉をすべてそぎ落としたことにより、これまでよりもずっと少ない時間で、同等以上のアウトプットを出せるようになりました。
また、効率よく仕事を進めることに更に拍車をかけたのが、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークです。
業務のテレワーク化により、無駄な打合せもほぼ、撲滅し、集中して仕事ができる環境を手に入れたことにより、ぶっちゃけ、会社の仕事に費やす時間は1日4時間程度にまで抑えることができるようになりました。
私は「洗脳」のおかげで運よく早めに管理職になることができましたので、実質1日4時間程度の労働で、残業代も減ることなく、これまでとほぼ同等の給料をいただけています。
1日の残りの時間は自分の好きなことに充てています。
こんな働き方でも会社の求めるアウトプットはそれなりに出ていますので、上司は私に対しては何も言いません。
会社に洗脳され、うつ病になり、出世コースから脱落するという、大きな挫折を味わった私ですが、今現在の生き方、働き方は本当に恵まれています。
何よりも働く時間が短く、ストレスもほぼない、という状況が何にも代えがたいものです。
自分の価値観に合う企業へ転職するのもあり
上で述べてきたように、私は会社に洗脳されていた時とは180度、価値観を変え、幸せな働き方をしています。
とはいえ、すべての人が私と同じことができるとは思っていません。
私の場合は、今担当している仕事と職場環境がある意味すごく恵まれているため、このような働き方が可能となっています。
しかし、あなたの仕事、役割が「洗脳された組織」の中にがっちり組み込まれている場合などは、そうはいきません。
また、人と違う行動、考え方を貫きとおすのは、多くの人にとっては大きなストレスになると思います。
洗脳された組織の中で、自分の価値観を貫き通すのは困難を伴うと思いますので、そんなときは、自分の価値観に合う会社への転職を検討しましょう。
例えば、多残業、サービス残業などが常態化している環境から脱出したいのであれば、数はまだまだ少ないですが、残業ゼロを実現している会社も世の中にはあります。
転職を考え始めたら、まずは転職エージェントへの登録を済ませましょう。
転職エージェントを利用する理由ですが、残業ゼロを実現しているなど、働きやすい会社は応募者が殺到し、人気となりますので、一般には中途採用の募集を開示していないケースや、面接などに対し、綿密な対策が必要となってくるからです。
転職エージェントを利用すれば、こういった点を全面的にサポートしてくれます。
おすすめ転職エージェント
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- dodaパーソルキャリア|技術系の転職に強い:リクルートに肉薄する業界No.2。
- マイナビエージェント|人材紹介・転職サイト:定番のマイナビです。新卒就活の時に利用した人も多いと思います。
- パソナキャリア | 顧客満足度2年連続総合1位:特に女性におすすめです。キャリアアドバイザーも女性が多いエージェントです。
ただ、求人票に「残業なし」と記載があっても、入社後、こんなはずではなかった、つまり残業なしはウソだった、というケースも多々あります。
この点については、こちらの記事も参考にしてみてください。
「残業なし」のウソを見破る方法を解説しています。
まとめ:会社の洗脳
今回の記事では、「会社による社員の洗脳」について述べてきました。
以下、本日のまとめです。
- 日本の会社では多かれ少なかれ洗脳が行われている
- 洗脳のやり方は、ブラック企業の洗脳教育みたいなものも稀にあるが、多くの場合、協調性やチームワークを重んじる企業や職場の風土により、無意識に進められる
- サービス残業、休日出勤、何があっても仕事が優先、忙しい状態が心地よい、などは、会社に洗脳されている状態
- 会社が社員を洗脳するのは、会社にとって使いやすい人間に染めていくため
- 経営者はより多くの利益を出すため、低コストで長時間働く人間に染めていく
- 日本人は学校に入ると「皆と同じが良いこと」という価値観を植え付けられるため、会社に入る前に洗脳の下地が出来上がっている。
- 洗脳から覚めるには、うつ病になった、出世コースから脱落したなどの何かしらのきっかけが必要
- 洗脳から解かれた後は、周囲に染まらず、自分の価値観で生きていこう
- 洗脳された職場環境で、自分の価値観を押し通すのは困難なことが多いので、自分の価値観に合う会社への転職を検討しよう。
本日は以上です!